本当は高くない離職率
「介護職は仕事が厳しいから辞める人が多い」というイメージを持たれがちですが、実は介護職の離職率は高くありません。
実際に、1年以内に辞める介護士は正社員では22%、派遣など非正規の社員で34%となっており、3年以上の場合は正社員が15%、非正規社員が11%となっています。
3年で3割以上の社員が辞めたら離職率が高いという評価基準で考えると、介護業界で人が仕事を辞める割合は決して高いとはいえません。
この調査結果から正社員より非正規社員の方が離職率が高くなっていますが、その非正規社員の中には短期の派遣社員も含まれています。
彼らの契約期間は3ヶ月から半年が多く、長くても1年ぐらいのため1年以上勤務している人はあまりいません。
そうした人たちも離職者に加わっているため、その点は考慮に入れておく必要があります。
離職を決意した理由として多かったのが「職場の人間関係のトラブル」「施設や事業所の運営に不満をもった」「職場を変えたかった」「給料が少ないため」などがあります。
そのため職場の人間関係の問題、施設の待遇に対する不満、収入が少ないなど他の業種でもありそうな理由でやめている人が圧倒的に多く、逆に「仕事がきつい」など仕事に直接関係する事柄は少ないということがわかります。
また離職する介護士の内訳を見ると国営の施設や規模が大きい施設は辞める人が少なく、逆に民間の施設や規模が小さいところは辞める人の数が高いという傾向にあります。
イメージにとらわれず、離職率という情報を活用すれば本当の現状が見えてくるのではないでしょうか。